▼ 除夜の鐘とは？
年の瀬を告げる日本の風物詩
除夜の鐘は、一年の終わりを告げる音として古くから親しまれ、除夜の静けさとともに心を落ち着けて新年を迎える日本の風物詩です。
鐘の音には、古い年の穢れ（けがれ）や迷いを祓い、清らかな心で新しい年を迎えるという意味が込められております。
除夜とは何を意味するのか
除夜とは大晦日の夜のことを指します。
“除”には、古いものを取り除く意味と新しいものを迎えるという意味があり、一年の締めくくりにふさわしい言葉です。
除夜の鐘は、まさにこの“除く夜”に心の中の迷いや不安を静かに清める儀式として受け継がれております。
▼ なぜ108回打つの？
108という数字に込められた意味
鐘を108回打つ理由は、仏教の教えに由来します。
人の心には煩悩（ぼんのう）と呼ばれる108の欲望や執着があるとされ、その一つひとつを鐘の音とともに祓うことで、心を浄めると考えられております。
108という数字には、十二の感覚 × 九の感情 × 三つの時（過去・現在・未来）を掛け合わせた説など、さまざまな意味が伝えられております。
煩悩を祓い、新しい年を迎える心
多くの寺院では、大晦日の夜に107回を旧年中に、最後の1回を新年に入ってから打つのが一般的です。
これは「一年の煩悩をすべて祓い、清らかな心で新しい年を迎える」という意味を表しており、除夜の鐘の音は、ただ響くだけでなく、心を整え、新しい自分へと生まれ変わる象徴なのです。
▼ 今も続く“音の風景”
地域ごとの打ち方や時間の違い
除夜の鐘の打ち方や回数のタイミングは、寺院や地域によって少しずつ異なります。
年越しの直前にすべて打ち終えるところもあれば、参拝者とともにカウントダウンを行いながら打つ寺院もあります。最近では、混雑や騒音への配慮から、日中に打つ昼の除夜の鐘を実施する地域も増えております。
静かな鐘の音に込められた祈り
除夜の鐘は、単なる年越しの合図ではありません。その一音一音には、一年間無事に過ごせた感謝と新しい年への祈りが込められております。
夜空に響く鐘の音を聞きながら一年を振り返り、心を静かに整える。それが除夜の鐘の本当の意味です。
