お役立ち情報。寺院・神社の違いについて

寺院と神社の違いとは?

日本人は寺院も神社も親しみがあり、両方へ行くことが多いのですが、実は役割が全く違います。

寺院はブッダを開祖として、五三八年に日本に伝来した仏教の教えに基づき建てられたものとされています。仏法に従えば国を護り鎮めることができるという考えのもと、国家鎮護の祈願場として整備が進められていったようです。

古来、日本人は山や草木、巨石といった万物に魂が宿ると信じ、「八百万の神」と言われるほど多くの神々を崇拝してきました。そして、それらの神々が宿る神聖な場所に祭壇を設け、小屋が建てられ、社殿、本殿へと発展していったのが今の神社だと言われています。

そこで、寺院と神社の特徴を分かりやすく表にまとめました。

  神社 寺院
定義 神様が住む場所 僧侶が住み教義を勉強する場所
所属

神道 仏教
神道は、複数の神様を信仰の対象とする多神教と言われています。 「苦しみ」と見なされる人の世が未来永劫続く輪廻転生の輪から、修行によって悟りを開いて抜け出す(解脱)ことを目標としているようです。
崇拝対象 八百万(やおよろず)の神々
山・森・石・神木など
特定の人(皇族・菅原道真他)
仏陀、仏様(大日如来、薬師如来、釈迦如来、地蔵菩薩、不動明王など)、「仏」として崇められた高僧など
神道の神様は「八百万の神」と総称されるほど数が多く、山・森・石・神木など自然の物から、特定の人等、森羅万象の様々なものを神格化しているようです。 仏教には本来、何かに対して信仰するという考えはありませんでした。しかし、一般にも分かりやすくする狙いから、時間の経過とともに開祖である仏陀やその他の仏などが信仰の対象とされるようになったようです。
聖職者
神職(神主)、巫女 僧侶(お坊さん)、尼さん、住職
神主は、神社に仕えて歳事や社務、祈祷などを行う役職です。また、神主の補助をし、神事の際に神楽や舞を奉仕する巫女も存在します。 お寺でお経を唱えることや説教を基本的な仕事としています。他にも、葬儀の場でお経をあげたり、寺院や墓地の管理も行っています。「和尚」は教えを説くお坊さんのことで、「住職」はお寺に住み込んでいるお坊さんのことです。
教典 教典は存在しない
神道の世界観は、様々な神様の力を借りて成り立っている世界というイメージなので、生活文化から発展したそれらの神々の力を上手く借りられる方法論が教義の元になっているようです。
釈迦(仏陀)が説いた教えを記録した「経典」が教典とされています。
宗教施設 神社(鳥居+参道+社殿) お寺
神社は神様が祀られている参拝場所としての役割を持っています。神社は一般的に、入り口に「鳥居」があり、鳥居の先にある「参道」の脇には手と口を清める「手水舎」、その先には神様が祀られている「本殿」、という造りになっています。 最初はお坊さんが仏教修行を行う場所だったのですが、仏陀が徐々に神格化されていくと共に、仏塔や仏像、それを収める仏殿などが誕生し、現在のような姿になったと言われています。お寺は一般的に、入り口に「山門」があり、元々は仏陀そのものを表していた「塔」と本尊の仏像を安置する「金堂」などを内部に置く造りになっています。
参拝方法 二拝二拍手一拝 合掌
神社では、お賽銭を入れた後、2回礼をし、手をパンパンと叩いて、もう一度頭を下げる「二拝二拍手一拝」という参拝方法が一般的です。 お寺では、お賽銭を入れた後、拍手は打たずに胸の前で合掌するスタイルの参拝方法が一般的です。
願望 現世での幸せを願う 死後の極楽浄土、又は現世での幸せを願う
神社への参拝は、穢れを清めるためのお祓い方法の一つに数えられるもので、「今までの穢れを清めて、心機一転の決意表明をする」という意味合いがあります。そのため、「お金が欲しい」といったような自分に都合のいい願い事をするのは、本来の目的からはずれているようです。 祀られている仏様で現世か来世かが異なります。
また仏教は自分の行動でより良くしていく事なので、願うというよりも誓ういう感じだそうです。
特徴 鳥居、鈴、千木(ちぎ)、鰹魚木(かつおぎ)、注連縄がある。
ご神体は秘匿されている。
数珠を持つ、鐘をつく、護摩を焚く、お線香をあげる。鐘、鰐口、お墓がある。お仏像などを常時拝観できる。参拝後に「朱印」をもらうことができる。
「寺」と「院」の違いとは?

寺院の名前は、詳しくは○○山○○院○○寺となり、山号・院号・寺号といいます。しかし、名前が長くて呼びづらいので、一部を取って通称名(略称)にしたと言われています。

では、通称で「寺」と「院」があるのには理由があるのでしょうか?
寺と院で格が違うわけではなく、中身が違うというわけでもありません。 通称で「寺」と呼ぶ場合が多いのになぜ「院」と称するかというと、寺号より院号のほうがその寺の特徴をよく表していたり、天皇家・摂関家と関係が深い寺院の場合に「院」で呼ぶ場合が多いようです。

ちなみに、寺院の名前の最初に山号がつくのは、昔は殆どの寺院が山の中に建てられており、寺院の所在地を示すためにつけられたもので、現在でもその呼称が続いているからです。
お寺の正面の門の事を「山門」というのも、ここから来ているようです。

寺の中の建物の種類

」とは、中国が漢と呼ばれていた時代に、高級官僚や外国からの来賓を宿泊させる建物のことを表していたのだそうですが、現代では僧侶が住む建物のことが多いようです。

」とは、もとは寺の敷地内の一部の別の建物のことでしたが、現代では寺に付随する建物のことのみをいう場合や、独自の建物のことをいう場合にも使われるようです。寺の建物には、他に「庵」や「坊」があります。

」は、「あん」や「いおり」とも読みます。俗人が住む集落から離れ、寝泊りができる程度の質素な建物の意味があります。出家した人や世俗を離れた生活を好む隠遁者(いんとんしゃ)が住む小さい建物の意味です。
俳聖芭蕉が住んだ「芭蕉庵」や良寛さんが暮らした「五合庵」などが、有名です。

」は、大きなお寺に帰属する小さな寺院をいいます。

※庵寺や坊というと小さいお寺が多いのですが、中には大きなお寺もあります。

神社は主に5種類の名があります

まず、神社の名称の最後につく社号は全部で6つ。「神宮」「宮」「大神宮」「大社」「神社」「社」です。それぞれに社号には、意味があります。

社号 詳細 格式
神宮 皇室とゆかりの深い由緒ある神社につけられる。 とても高い
神宮と呼ばれる基準としては、皇室の祖先神を祀っているかどうかです。ただし、「神宮」とだけ言うと、伊勢神宮のことを指します。「伊勢神宮」は通称で「神宮」が正式な名称です。
特別の理由を認められた神社につけられます。
天皇や皇室にまつわる人物を祀っている神社です。
高い
大神宮 「大神宮」は伊勢神宮の出張機関というべき、東京大神宮の特別な社号  
大社 地域信仰の中核をなす大きな神社を指す社号 高い
元々、国譲りを行なった大国主命を祀る出雲大社のみにしか付かない称号でしたが、明治以降は奈良の春日大社や長野の諏訪大社など全国から崇敬を集める格式の高い神社で使われるようになりました。規模の大きい神社です。
神社 最も一般的な神社。  
「神社」の略称。比較的小さな神社の社号。
大きな神社から御祭神を勧請した神社に用いられます。